あなたの好みはどの作品? [怪奇篇]
日本SFの臨界点[怪奇篇]/伴名練 編
いや~久しぶりのSFですね。やっぱりSFは良いですね~。想像力が拡がります。
ただ、最近はなかなか長編小説には手を出し難いんですよね。読み始めるまでの敷居が高くて・・・
今回はそんな人にも読みやすい、短編集の紹介です。
こんなひとにおススメ
- 最近SFを読んでいないひと
- いろいろなタイプのSFを読んでみたいひと
この「日本SFの臨界点」ですが、[恋愛篇]と[怪奇篇]の2冊が刊行されています。
今回読んだのは[怪奇篇」の方で、副題として「ちまみれ家族」というタイトルがついています。
あ、怖い話が苦手だと思った方、ちょっと待ってください。
本書には11篇の作品が収録されているのですが、序章で編者の伴名さんも書いているように、いわゆる怖い系の話というものはほとんどありません。
(ちまみれ家族も、ギャグ満載の作品になっています。)
怪奇といっても、いろいろな意味で不思議な話がSF的に描かれているだけです。
内容も幻想的だったり、コミカルだったり、いろいろな種類の話が楽しめます。
その中で、特に私の印象に残ったのは「地球に磔にされた男」ですかね。
伴名さんの紹介文をお借りすると、
父の友人が遺した時間跳躍機構。それを作動させてしまった男が辿る運命とは?
タイムトラベルもののように始まり別ジャンルのSFとして展開し、思いがけない結末にたどり着く予測不能の作品。
とのこと。
この話、私がタイトルから受けたイメージとは全然違う話だったのですが、上の紹介文の通り予想外の結末が印象的な、感動的な良作でした。
ちなみに著者は中田永一さんという知らない方だったのですが、実はこの名前、乙一さんの別の筆名だったんですね。びっくり!しました。
他にもSFとして本当に幅広くいろいろなタイプの作品が楽しめます。
「笑う宇宙」とか「ぎゅうぎゅう」とか「A Boy Meets A Girl」なんかが良かったかな。
この辺りは個人の好みかもしれませんが、バラエティに富んだ11作品があるので、きっといくつかは好みの作品に出会えるのではないかと思います。
普段あまりSFを読まない方、たまにはSF作品も読んでみてはいかがでしょうか?
乙一さんの代表的なミステリです。
SF&ミステリの傑作といえば、これですね。