書き手の視点が分かると、ミステリはもっと楽しめる
書きたい人のためのミステリ入門/新井久幸
「別にミステリを書きたいとは思ってないし・・・」というあなた。
ちょっと待って下さい。
ミステリを書かなくても、ミステリが好きであれば読んで損はありません。
こんなひとにおススメ
- ミステリを書きたいひと
- ミステリが好きなひと
この本はタイトルの通り、ミステリを書きたい人、ミステリ新人賞に応募するような人に向けて書かれています。
もしあなたがそういう人であれば、これはもう必読でしょう。
でもほとんどの人は、ミステリを書きたいわけではなく、読みたいだけですよね。
私もそんなうちの一人です。
で、そんなミステリ好きの人でも充分楽しめる内容になっています。
さてその内容ですが、ミステリのお約束が、書き手の視点から解説されているんですね。
まずは「謎がなければ始まらない」ということで、読者を惹きつける魅力的な謎の提示について。
謎にもいろいろありますが、その謎をいかに解決するかが、ミステリの見どころであり、作者の腕の見せ所です。
それから「フェアとアンフェアの間に」ということで、一人称視点と三人称視点、地の文で嘘をついてはいけない、といった点。
ここは読者としてはあまり気にせずに読んでいる部分だと思いますが、作者としては非常に気をつかうようです。
嘘は言わない、けれど本当のことも言わない、という感じです。
また「ふうん」な伏線じゃ驚けない、ということで、どのような伏線をどのように配置するべきか、という視点があります。
10個伏線を張っても、読者は3つくらいしか気づいてくれないし、覚えていてくれないそうです・・・
なかなか難しいものですね。
といった感じで、ミステリファンであれば言葉として知っている内容でも、それらを作る側の視点から解説しているところが面白かったですね。
さらに解説をする中で、それらがうまく書かれている作品例がたくさん出てきます。
まぁそれを見ると、またミステリが読みたくなるわけですよ。
そして最後には、「デビューへの道」と、「ミステリ新人賞、その執筆および投稿と選考に関する一考察」という、書きたい人にとっては必読の内容まで解説されています。
この本を読んだ人の中から、将来ミステリ作家としてデビューする人がいるかもしれません。
ぜひ、あっと驚くようなミステリを創って頂きたいですね。
しかしミステリに限りませんが、小説を書ける人ってすごいですね。どうやったらあんな風に長い物語を書けるのでしょうか?
文章を書くのが苦手な私には、想像もできない世界です。
ま、書くのはすごい人たちにおまかせしましょう!
私はありがたく読ませて頂くことにします。素晴らしいですね。
ミステリといえば、これですね。
私が衝撃をうけた作品のひとつです。
この作品も、紹介されていました。