「しあわせの書」の秘密とは? こんなトリックがあるなんて・・・
しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術/泡坂妻夫
これはすごい。すごいですよ。ちょっと信じられない。でも実際にあり得るんですね。こんなことができるんですね。
あまり多くは語れませんが、とりあえず驚いたことは確かです。本当に。
こんなひとにおススメ
- 読後にびっくりしたいひと
- 「しあわせの書」の秘密を知りたいひと
表紙の絵とタイトルから、ちょっと怪しげな雰囲気の漂う本ですが、内容はそれほど怪しいわけではありません。
確かに宗教とか生き返りとか読心術とかいう話がでてくる、普通のミステリとは違った感じの内容にはなっています。
二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体”惟霊講会”。
超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギ ガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。
41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ——。
まず内容の方ですが、前半はあまりミステリらしくない展開で物語が進みます。
ちょっと怪しげな宗教団体や「しあわせの書」が出てくるものの、特に殺人事件が起きるわけでもありません。
事故で亡くなったと言われていた人によく似た人を見かけたとか、それが教祖の力による生き返りでは?といった怪しげな話はありますが、物語は教祖の跡継ぎ問題へと進んでいきます。
そしてこれまた宗教的な「断食競争」という形で跡継ぎを決めよう、という話になります。
物語の終盤、断食が終わるころになって、ようやくミステリっぽい形で犯人(?)やそのトリックが明らかにされ、なるほどな~といった感じで無事に事件が解決します。
しかし。驚くべきところはそのトリックだけではありません。
が。
しかし。
この本には、最初に次のような但し書きが書いてあります。
読者の幸せのために
未読の人に「しあわせの書」の秘密を明かさないでください
ん~~~~~
まあ、そうですよね。
私も秘密を知らないまま読んで、驚くことができて、幸せでした。
なのでみなさんにも、読んで、驚いて、幸せになってほしい! ということで、いろいろと書くのはやめておきます。
ネタバレありとして書くという手もありますが、やはり未読の方が読んでしまって幸せを奪ってしまう可能性もありますので・・・
「しあわせの書」が気になったかたは、ぜひ自分の目で確認してみてください。
きっとこの新しいトリックを知って、幸せを感じることができると思いますよ。