ポリテック(PoliTech)で未来を明るく
日本進化論/落合陽一
「ポリテック」で課題を解決し、社会を新しい段階に進化させよう!ということが本書のテーマとなっています。
働き方、高齢社会、子育て、教育、社会保障、健康・・・
問題は山積ですが、ポリテックで何が変わるのでしょうか?
こんなひとにおススメ
- ポリテックについて知りたいひと
- 日本の将来を悲観しているひと
最初から「ポリテック」「ポリテック」と書いていますが、初めて聞いたという人も多いと思います。
ポリテックは政治を意味する「Politics」と、技術を意味する「Technology」を掛け合わせた造語、だそうです。
「フィンテック」や「エドテック」と同じような成り立ちですね。
政治とテクノロジーを融合させることで、様々な社会問題を解決していこうという構想です。
冒頭にも書きましたが、現在の日本では年収が増えない中、高齢化社会で社会保障費は年々増加し、教育や子育ての負担は重くなる一方です。
政治の力で何とかして欲しい!と思っても、現実はシルバー民主主義と若者の投票率低下の悪循環で、状況は改善するどころかさらに悪化しているように感じます。
このままでは日本の将来は・・・と悲観的になってしまうところですが、そこにテクノロジーの力を導入したら解決できるかも!という内容になっています。
分かりやすい例として、高齢者ドライバーの問題が挙げられています。
みなさんも高齢者の自動車事故のニュースは見たことがありますよね。
短絡的に考えて、高齢者は免許証を返納しろ!といった意見を目にすることもありますが、それで解決するような簡単な問題ではありません。
都会に住んでいると、公共交通機関が発達しているため視野が狭くなりがちですが、地方の大部分の地域では車の有無は生活に関わる大きな問題です。
これに対し、「ドライバー監視技術」、「自動運転技術」、「コンパクトシティ化」の3つのアプローチが紹介されています。
「自動運転技術」は、ここ数年で技術的にはかなりのレベルまでできるようになってきていますが、技術的な課題解決とともに法律の整備を進めなければなりません。
また「コンパクトシティ化」も、政治が主導して進めていく必要があるでしょう。
上記はほんの一例ですが、年々テクノロジーは進化しており、一昔前までは不可能と思えたようなことが、現在あるいは近い将来に実現できるようになってきています。
このテクノロジーの力と政治の力をうまく融合させることで、社会を進化させようというポリテックの構想には共感できるものがありました。
暗い未来に、少しだけ光が差し込んだような気持ちです。
といってもテクノロジーで何でもかんでも解決できるわけではありませんし、課題が山積している事実もすぐには変わりません。
が、まずは身近なところからということで、ますは「ポリテック」という言葉、考え方を広く知ってもらうことが大切ですね。
「ポリテック」を知る人が増えれば、少しずつ「ポリテック」が社会に浸透していくかもしれません。
落合陽一さん、小泉進次郎さんらが、積極的にそういった活動をされているようです。
この文章を読んで頂いたあなたに、「ポリテック」という考え方を知ってもらえたなら、ほんの少しだけ未来が明るくなったかもしれませんね!
(本を読んでもらえると、さらに未来が明るくなりますが!!)
5Gもポリテックに貢献してくれることでしょう。
日本にもいろいろありますが、世界はもっと広いです。