r>gの意味がわからない! 知らなくても困らない? ピケティと格差について
まんがでわかる ピケティの「21世紀の資本」/まんが:小山 鹿梨子、監修:山形浩生
もう5~6年前になりますが、トマ・ピケティさんと「r>g」という式が話題になりました。
この式「r>g」は「21世紀の資本」という本の中で中心となるものですが、この本は大作で700ページ超もあるそうです。(私は読んでません・・・)
そんな大作の要点を、まんがで分かりやすく解説した本が今回のおすすめになります。
こんなひとにおススメ
- r>gって何?というひと
- 経済と格差について興味のあるひと
タイトルにも書きましたが、r>gの意味がわからなくても、特に困ることはありませんし、知っていたからといってすぐに役に立つようなものでもありません。
でも知らないよりはやっぱり知っていたほうが良いと思うし、これを読んでいるあなたもきっとそう思っているのではないでしょうか。(少なくとも興味はありますよね!)
さて、いきなり答えですが、r>gとは何か?と言えば、下記のようになります。
r(資本収益率)>g(経済成長率)
これは資本収益率が経済成長率を上回る、ということを示しています。
ん? 資本収益率? 経済成長率はニュースで聞いたことがある気がするけど? と思うかもしれませんね。
簡単に言うと、資本を持つ人は、経済が成長するよりも速いスピードで、自分の資本を増殖させることができる、ということです。
つまり、一般の人は経済の成長とともに豊かになっていくわけですが、「資本を持つ人=お金持ち」はそれを上回る速度で豊かになっていくことになります。
結果として、お金持ちはさらにお金持ちになり格差が拡がっていく、というわけです。
そして重要なのは、この関係が理論的にはこうなるはずですよ~というものではなく、ピケティさんが膨大なデータを調査して導き出した歴史的事実である、ということです。
このまま放っておけば、「r>g」の事実通りに格差が拡がっていく一方になるわけですが、そうならないためには政策介入が必要だとピケティさんは主張しています。
まんが版では詳細は触れられていませんが、格差を緩和する方法として以下のようなものが挙げられています。
格差を緩和する方法
上記は政治的な問題ですから、一個人としてできることは限られるでしょう。しかし自分の生き方は自分で決めることができます。
そのためには、個人としても「r>g」という現実は知っておいたほうが良いでしょう。格差に文句を言っても、不満を述べても、現実はすぐには変わりません。
そのうえでどうすべきか?ということの一つの解として、以前おすすめした 漫画 バビロン大富豪の教え や 投資家みたいに生きろ が参考になるかもしれません。
ただし資本といってもいろいろありますし、必ずしも「資本を持つ人」になることが正解というわけではないと思います。
今回おすすめしている本には、様々な資本を持つ人たちが登場します。 そんな周りの人たちに影響されながら、主人公の女性が「文鳥カフェ」を起業するストーリーです。
そのストーリに沿いながら、ピケティさんの発見した事実や主張について、解説が加えられています。
今回久しぶりに読み返してみましたが、こういう時にまんが版は読みやすく、短時間で概要をつかめるのが良いですね。
「21世紀の資本」という難しそうな名前で読むのを躊躇していた方、当時興味があって読もうと思いながらそのまま読まずに今これを読んでいる方、入門編としてまんが版はおすすめですよ。