AIは一神教の神様になるのか?!
人類が生み出した全知全能の存在は神になりうるか?/島田裕巳
人類が生み出した全知全能の存在、ここではAIのシンギュラリティのことを言っています。
そして昔から全知全能の存在と言えば神様。
AI、神、そして宗教のお話です。
こんなひとにおススメ
- AIのシンギュラリティに興味があるひと
- AIと宗教について知りたいひと
ということで、数あるAI関連の本の中で、本書は宗教的な見地からAIのシンギュラリティを考察しています。
まずAIですが、これは皆さんご存知でしょう。いわゆる「人工知能」ってやつですね。
既に様々な分野で使用されていますし、日々進化しながらその応用範囲を拡げつつあります。
そして「シンギュラリティ」。
こちらも言葉ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。
簡単に言ってしまえば、AIの知性が人間を超え、社会が大きく変化するということです。
このシンギュラリティ、一説によれば2045年に訪れると言われています。(シンギュラリティは起こらないという説もあります。)
まあ時期が前後することはあるでしょうが、AIの進化を考えるとシンギュラリティに近づいていることは確かでしょう。
そしてもしシンギュラリティが訪れたらどうなるのか?
現在の地球上には、人間以上の知性を備えるものは存在しません。
つまりAIが人間の知性を超えるということは、AIが神になる、あるいは神に近づくということになります。
ではその時、現在の神はどうなるのでしょうか? AIを神とする宗教ができるのでしょうか?
・・・
私は宗教にはあまり興味がありませんが、AIが神になるというのも何となく想像できるような気がします。
現在のAIでも、何か答えを出すときにその過程が人間には分からないということがあるそうです。
AIがさらに進化すると、人間の質問に対して正しい(と思われる)答えを教えてくれるようになると思いますが、なぜその答えなのかが人間には分かりません。
AIがそう言っているのだから間違いない、ということになると、これはもう神様のお告げのようなものではないでしょうか。
AIに対してはいろいろな考え方があると思いますが、今後AIの進化とともにこうした議論が活発になっていくことでしょう。
ちなみに本書ではAIに関連して、映画「2001年宇宙の旅」や、将棋のプロ棋士「藤井聡太」さんの話が出てきます。
このあたりの予備知識があると、さらに内容が面白く理解しやすいですよ。
さらにちなみにですが、著者の島田裕巳さんは「プア充」の著者でもあったんですね。
読み終わってから気が付いて、ちょっとびっくり。
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